まったく新しいアカデミック・ライティングの教科書 - 光文社
阿部 幸大 著
まったく新しいアカデミック・ライティングの教科書 - 光文社  favicon https://books.kobunsha.com/book/b10125593.html
まったく新しいアカデミック・ライティングの教科書 - 光文社

感想

  • 「論文とはなにか」というところをしっかりと定義してから書き方を指南してくれる本。大きく「原理編」「実践編」「発展編」に分けられる。

  • 「原理編」では論文におけるアーギュメントの重要性を説いている。論文にはアーギュメントが必要であり、論文におけるアーギュメントは様々な制約がある。アーギュメントは論証を要求するものであり、アカデミックな会話に参加し、会話を更新させるものである。この認識があれば、どの分野であっても論文を読むときの指針になるだろう。

  • 「実践編」は、アーギュメントをどのように論証していくのかを解説している。著者は人文学系の出身なので、題材も人文的なものである(アンパンマン×ジェンダー×戦争論?みたいな感じ)。じっさい、著者な「はじめに」の章で以下のように触れている。

人文系の論文のおおきな困難のひとつは、きまったフォーマットがないということである。
自然科学系の論文は「導入」「研究目的」「研究方法」「実験結果」「考察」「結論」などとフォーマット化され、文章内容も客観的な事実の記述が多くなる。これにたいして人文学の論文では、イントロダクションの有無さえ究極的には自由であり、冒頭から自分の言葉で語り始め、数千・数万字にわたって語り続けなければならない。

  • なので正確には「人文学系の論文の書き方」というタイトルが近いかもしれないが、「論文を書く」という大テーマで見ても参考になる箇所はたくさんあるなと感じた。

  • 読み物としては「発展編」がとても面白かった。著者の思う人文学の究極目的が自分の中ですごく腑に落ちるものだったので、ぜひ読んで欲しい。

あなたは、なぜ人文学という学問が公的に保護・支援されねばならぬか、その理由を説明せよと言われたら、どのように答えるだろうか。